関東近郊のダイビングスポットを紹介！千葉、神奈川、伊豆（西伊豆・南伊豆・伊豆大島・東伊豆）などエリア別に解説

スキューバダイビングといえば、沖縄などのリゾート地を思い浮かべる人も多いと思いますが、東京からアクセスしやすい関東近郊にもダイビングスポットは多くあります。

今回は伊豆、西伊豆、南伊豆、伊豆大島、東伊豆、千葉、神奈川のダイビングスポットを紹介します。

伊豆のダイビングスポット

静岡屈指の温泉地、伊豆半島。
現在は本島とつながっていますが、かつては現在の硫黄島あたり、はるか南の海で生まれた海底火山の集まりでした。

火山活動を繰り返しながらプレートとともに北上し現在の位置に誕生。
火山活動により形成された複雑な地形が魅力で半島を囲むようにして多くのダイビングスポットが点在しています。

伊豆半島は大きく分けて、東伊豆、南伊豆、西伊豆に分かれています。
また、伊豆半島の他に9つの有人島があり、中でも伊豆諸島最大の面積をもつ伊豆大島は、人気のダイビングスポットです。

以下ではエリア別のメジャーなダイビングスポットを紹介します。

東伊豆

伊豆半島の東部は、都心からは伊東まで電車や車で2時間半ほどとアクセスしやすく日帰りでもダイビングを楽しめるのが魅力。
温泉や観光・グルメスポットも多くあるエリアです。

伊豆半島の中でも最も多くのダイビングスポットがありますが、熱海・初島、伊豆海洋公園、富戸（ふと）、八幡野（やわたの）などが人気。

伊豆海洋公園

伊東市の城ヶ崎海岸沿いにある伊豆海洋公園。
夏には「日本一海に近い磯プール」などがオープンするレジャースポットです。

半世紀以上前に、東海大学海洋学部の潜水訓練センターとして開設されたダイビングセンターを併設しており、レジャーダイビング発祥の地ともいわれています。
大室山の噴火で流れ出た溶岩が作り出した複雑な地形や多彩な生物に出会えるのが魅力です。

このエリアで人気なのが「1の根」と呼ばれるのポイント。
根とは海中にある岩礁やサンゴ礁のことをいいます。
ソフトコーラルが美しく、岩場周辺に生息する様々な生物の姿も楽しめます。

熱海・初島

新幹線なら東京からわずか50分、都心から気軽に足を運べる温泉街の熱海には、探検気分を味わえるダイナミックなポイントがあります。

景勝地・錦ヶ浦付近にあるのは、11～3月の期間限定で潜れる「小曽我洞窟」。
初心者でも潜れる全長40mの湾曲した洞窟で、水中で洞窟に差し込む幻想的な光景を見られます。

また、熱海から高速船で約25分の離島「初島」も初心者におすすめのポイント。
ビーチダイビングを楽しめ、魚影が濃いと評判です。

ちなみに、熱海では「沈船」と呼ばれる、水深30mほどの海底に81mの巨大船「旭16号」が沈むポイントも有名。
船体をソフトコーラルが覆い、回遊魚の姿も見られます。
ただし、こちらはダイビング上級向けのポイントです。

富戸（ふと）

富戸は伊豆半島を代表するダイビングエリアの一つ。
もっともメジャーなのが「ヨコバマビーチ」で、シュノーケリングスポットとしても人気があります。

美しい砂地やイソギンチャク畑、海況がよければ「富戸ホール」と呼ばれる岩のアーチなどの水景を楽しめます。
ときにはカスザメやサカタザメなどの姿も見ることができます。

その他にビーチポイント「脇の浜」や港からボートで向かう「マエカド」「フタマタ」などのポイントもあります。

八幡野（やわたの）

景勝地としても有名な城ケ崎海岸の南にある八幡野。
富戸や伊豆海洋公園と並ぶ東伊豆の人気ダイビングスポットです。

スロープ上になっておりエントリーしやすく八幡野ビーチでのダイビングがメイン。
多様な海の生き物を観察できることでも知られ、水中写真にも適したスポットです。

岩礁の周りに住みつく多くの生き物を見られる「あじ根」などのポイントがあります。

南伊豆

アクセスは東京から下田までなら、電車で3時間、車で3時間半ほど。
伊豆半島の中でも南伊豆の海は黒潮の影響により比較的水温が高く透明度抜群です。

沖縄のように南国リゾートを思わせえるカラフルな魚たちや、珍しい生き物たちがダイバーたちを楽しませてくれます。
大型回遊魚の群れ、ハンマーヘッドシャークなどに出会えるスポットも。

幕末に開港の地となった場所で歴史的スポットが点在し、観光も楽しめますよ。

中木

伊豆半島でも最も南に位置するエリアの中木は、南伊豆を代表するダイビングスポット。
透明度の高い海、エダサンゴの群れや多くの回遊魚が見られ、南国のような水景を楽しめます。
ウミガメやハンマーヘッドシャークが出現することも。

中でもダイビング初心者でも安心して楽しめるポイントが「ヒリゾ浜」。
伊豆屈指のシュノーケリングポイントとしても有名です。
透明度の高い海の美しさは多くの人を魅了しています。

伊豆急下田とヒゾリ浜の中間に位置する海岸・弓ヶ浜から沖合9kmのところに浮かんでる離島「神子元島（みこもとじま）」も人気ダイビングスポット。
ハンマーヘッドシャークや、運が良ければザトウクジラ、マンボウやジンベエザメも出現するスポットですが、こちらは比較的上級者向けのポイントが多くあります。

西伊豆

伊豆半島の西側、駿河湾に面している西伊豆。
海岸線は火山がつくりだした複雑な地形が見られ、富士山の絶景を望める景勝地が多くあります。
火山が作りだした景観は海の中でも見られ、多くのダイバーを魅了しています。

ただし西伊豆には鉄道が通っていないため、東伊豆と比べると都心からはアクセスはあまりよくありません。
東京から土肥などへ公共交通機関を利用し足を運ぶ場合は、中伊豆の修善寺からバスを利用するなどで3時間半〜4時間ほどかかるでしょう。
車の場合は3時間程度です。

大瀬崎

大瀬崎は、ビーチ沿いにダイビングショップが立ち並び、初心者から上級者までバラエティ豊かなダイビングスポットが点在しているエリアです。

多彩な生き物に出会えるのが特徴。
回遊魚や甲殻類、人気のウミウシの他に、マンタ、春先にはマンボウが姿を表すこともあります。

ビーチポイントの「柵下」「大川下」「一本松」など、ボートポイントの「白崖」と「ホトケ根」などがあります。

西伊豆町にある「黄金崎」は夕日がきれいな絶景スポット。
岬の周辺は「黄金崎公園ビーチ」として整備されており、展望台や花畑もあり美しい景色を満喫できるのも魅力です。

ダイビングスポットとしても知られ、公園はダイバーのためにも開放されておりシャワー等の設備も整っています。
「黄金崎公園ビーチ」は水深も最大18mほど、白砂で明るく、初心者でも潜りやすいポイントです。

伊豆大島

東京から120km南に位置し、竹芝から高速船で1時間45分でアクセスできる伊豆大島は、伊豆諸島で最も大きな有人島。
活火山が作り出した景色は日本ジオパークにも認定されており、水中にもダイナミックな地形が残されています。

東京から最も近いダイビングスポットのひとつでありながら、南国を思わせる透明度が高い海と数多くの魚に出会えるのが魅力です。

伊豆大島でのダイビングはほとんどがビーチダイビング。5つのビーチポイントがあります。
人気が高いダイビングポイントは島北部の「秋の浜」。
岩場あり、砂地ありの多彩な環境で海の生き物を多く観察でき、美しいソフトコーラルも見ることができます。

北部では他に、魚の集まるアーチが人気で遠浅で初心者も安心の「野田浜」、複雑に根が入り組んだ迷路のような地形を楽しめる「ケイカイ」、テーブルサンゴの群生が見られる「王の浜」などのポイントがあります。

「ケイカイ」や「王の浜」ではウミガメとの遭遇率が高いのも魅力の一つ。
南部にある「トウシキ」も水深が浅く初心者も楽しめるポイントです。

千葉のダイビングスポット

東京から2時間ほどでアクセス可能な千葉県房総半島。
サーフィンのメッカとして知られていますが、ダイビングスポットも多くあります。

外房（東部）、南房総（南端）、東京湾に面した内房（西部）のエリアに分けられ、外房では勝浦、南部では館山、内房では勝山にビーチやダイビングスポットが集まっています。

波左間（はさま）／南房総

館山からバスで20分ほどの位置にある房総半島の最南端、館山市波佐間にあるダイビングスポットです。

黒潮や地形の影響により海は比較的穏やか。
数多くのダイビングポイントがありますが、メジャーなのは港からボートで5分ほどの「高根」。
水中に近くにある洲崎神社の分社が祀られており、世界で唯一の海底神社となっています。

また、分社の周辺には「頼子」という愛称の巨大海水魚・コブダイの姿も。
根の周りや砂地でエビ、カニ、ウミウシ、ハゼ類など様々な海の生き物も見られます。

そのほか、沖合500mに設置された、直径50m水深7mの生簀の中に入ったやマンボウやジンベイザメと一緒に泳げる「マンボウランド」も人気です。

伊戸（いと）／南房総

館山からバスで35分ほどの位置にある伊戸。
サメに囲まれるというスリリングなダイビングを体験できるポイント「沖前根」がもっとも有名なポイントです。

300匹以上のドチザメの他に、アカエイ、クエなどの大群も。
ソフトコーラルやイソギンチャクの美しい景観も楽しめます。
こちらは中級以上のダイバーから潜ることができます。

平均水深が12〜13m前後と浅く、初心者向けのおすすめポイントは「砂浦沖の漁礁」。
人工漁礁が点在しており、魚影の濃さが魅力のポイントです。

沖ノ島／南房総

館山駅から車で15分ほどの位置にあり、館山湾の南端に位置する沖ノ島。
島といっても房総半島とは陸続きで徒歩で行くことができます。

海水浴場として有名ですが、ダイビングやシュノーケリングも盛ん。
比較的水温は暖かく、波も穏やかで初心者から楽しめます。

沖には初心者から潜れる沈船ポイント「沖ノ島沈船（おきのしまちんせん）」があります。
沈船の他にも漁礁も隣接しており、ソフトコーラルの群生や、たくさんの魚たちの姿も楽しめます。

沖ノ島ビーチでも潜ることができ、四季折々の魚やウミウシなどを観察できます。

行川（なめがわ）／外房

外房にある勝浦市の行川ではダイナミックな地形と魚影が魅力のポイントや、ビーチエントリーで楽しめる”ウミウシ天国”までバラエティに富んだポイントが点在しています。

初心者から上級者まで楽しめるビーチポイント「コミナリビーチ」は、10種類以上のウミウシが観察できる”ウミウシ天国”。
特にムカデミノウミウシの数が多く、ほぼ必ず観察できます。
浅場には海藻の中にドチザメの姿も。

他に、小さな洞窟やダイナミック地形が楽しめる「黒岩」、港からすぐの「新浜（しんばま）」も初心者から上級者まで楽しめるポイントです。

勝山／内房

東京からバスやフェリーなどでわずか１時間半ほどの勝山。
メインとなるダイビングスポットは勝山港から望める「浮島（うきしま）」周辺です。

ポイントへは港から船で5〜10分ほど。
東京湾の豊富な栄養分や黒潮の流れの影響で南方系の魚やサンゴ、潮が当たると回遊魚の群れにも遭遇できます。
生き物の数や種類も非常に多く、魚影が濃いのも魅力です。

島の南西にある「千手（せんじゅ）ドロップ」は、岩肌から無数に伸びるムチヤギやムチカラマツがまるで千手観音の手の様に見えることから名付けられたポイント。
東ネコザメやエイの仲間など大物から色とりどりのウミウシまで数多くの生き物や魚を観察できます。

その他にも島の周辺には多くのポイントが点在しています。

神奈川のダイビングスポット

車や電車でおおよそ1時間半ほどと、東京から気軽に足を運べる神奈川では相模湾に沿ってダイビングスポットが点在しています。

県の南東にある三浦半島、江ノ島、南西にある真鶴・根府川周辺などで潜ることができます。

三浦半島

神奈川県の南東にある三浦半島。
相模湾と東京湾を隔てる形で位置している半島です。

メインのスポットとなるのは、城ケ島大橋で繋がった城ケ島周辺。
黒潮の恩恵を受ける相模湾側、栄養分豊富な東京湾側の両サイドにダイビングスポットがあり、何十種ものウミウシなど様々な生き物に出会えるのも魅力です。

城ヶ島の北東部にある東京湾側のスポット「へいぶ根」は多くの海の生き物に出会えるポイント。
マクロ系のエビ、カニや多種のウミウシなどを観察できます。

葉山

神奈川県のリゾート地として知られる逗子・葉山。
SUP（サップ）やウインドサーフィンなど様々なマリンアクティビティを楽しめますが、ダインビングも体験できます。

メインとなるダイビングスポットは、芝崎海岸周辺。
黒潮の影響を受け、相模湾の夏の終わり頃からは季節来遊魚、冬は産卵のために浅瀬にあがるダンゴウオなど、季節ごとに多彩な生き物を観察できます。

よく知られるダイビングポイントは「170度の根」。
ウミウシをはじめとする無脊椎動物の姿も多く確認できます。

水深は最大でも12～13mと浅く、初心者でも安心。
透明度も高く現れる生物も多彩で、水中写真のスポットとしても人気です。

真鶴

熱海や箱根の中間にある港町・真鶴。 東京から電車で1時間半でアクセスできます。

真鶴にはいくつかのスポットがあります。

1つは伊豆に行く真鶴道路の岩大橋の下にあるポイント。
岩海水浴場からのビーチダイビングとボードダイビングができ、ビーチダイビングは水深も浅く初心者でも安心。
様々な回遊魚や海の生き物に出会えます。

一方ボートポイントでは、「トライアングル」「鉄骨番長」などの大きな人工漁礁があり、ソフトコーラルや数多くの魚たちの美しい水景を楽しみます。

真鶴では他に、県の天然記念物指定のサンゴイソギンチャクの群生がある「福浦ビーチ」などのスポットもあります。

根府川

真鶴のお隣、根府川。
関東大震災の時に沈んだ駅のプラットホームの残骸が沈んでいる、珍しいダイビングスポットが有名です。

遺構が見られるのは根府川ビーチ。
根府川は魚礁が多く、相模湾の外洋に面しているため潮回りがよいため、元気に泳ぐ魚たちの群れが楽しめます。

ビーチエントリーでエリア内の最大水深は14mと、初心者も体験可能なスポットです。

都心から気軽に足を運べる関東近郊圏内にも意外と多くのダイビングスポットがありますね。

ライセンスを持っていなくても気軽に楽しめる「体験ダイビング」から、より本格的な「ファンダイビング」、近場で取得が目指せる「ライセンス取得プラン」までたくさんのプランがあるので、気になる方はぜひ検索してみてください。

※本記事の内容は2024年4月現在の情報です。

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